いよいよロルフィングも9回目になりました。早いものですね。あと1回で本セッションは終わりです。今回は上半身の統合ということだったのですが、結局は全体的にやりました。ロルファーさんに取り立てて堅くなっているところがなくなった、と言われたのかとりわけ嬉しかったです。
今回が終わって、突然自分にとってのロルフィングの意味が分かりました。不良姿勢による体調不良から抜け出すきっかけをもらった、というのがそれです。抜け出させてもらった、ではないのがみそですね。 これはどういうことかというと以下の通りです。 1 姿勢によって体調、具体的には肩こり、腰痛、精神的な落ち込み、全身の疲労などが引き起こされるということをまったく知らなかった。 2 しかもパソコンのやり過ぎ、読書のし過ぎ、運動不足など、猫背前屈みの不良姿勢になるに決まっている行動を常にしていた。 3 しかもしっかり胸を張った姿勢は身体も苦しいし心理的にも堅苦しいという間違った認識を持っていた。 4 したがっていつも不良姿勢が固定化し、そのために様々な苦しみを抱えていた。 5 その上、身体が精神に及ぼす作用について無知だったために、気分の落ち込みなどに関して身体的にではなく精神的に解決しようと試みることが多かった。 ここまでがロルフィング前までの歴史です。何というか、全くの普通ですね。 6 ロルフィングによって堅くなり縮んでいた全身の筋肉がほぐれた。 7 特に胸、腹、骨盤など身体前側の筋肉がほぐれたために、胸を張ったきれいな姿勢をとっても苦しいと感じなくなった。 8 疲れやすく大きな力を出せるアウターマッスルを中心に使うことで、体に負担のかかる前屈みの姿勢を維持していたが、姿勢をニュートラルにすることで、疲れにくいが力の弱いインナーマッスルで姿勢を維持できるようになった。 9 したがって疲労しにくく、息をよく吸いこむことででき、肩が凝りにくく、腰が痛くなりにくい身体に変化した。 ここはロルフィング礼賛のところです。でもロルフィングだけでは足りないということも分かりました。 10 しかしながらロルフィングはあくまで体を一時的に不良姿勢による凝りから解放するだけである。自由になった身体を使って良い姿勢をとり生活を改善するのも、もとの不良姿勢を続けて不調に舞い戻るのも本人次第。ロルファーは途中まで補助してくれるだけで、身体の使い方に気づき自分を律し、良い状態を維持していくのは自分自身である。 ここはロルフィングの特徴ですね。お金を払ったから身体を治してくれる、という考え方ではロルフィングはできていません。あくまで楽な状態を作り、それを維持し伸ばすのは本人の選択ということです。逆に言えば、人に何かして貰えると思っている人は全然状況はよくなりません。 11 しかもそもそもどうして個々のクライアントに関して不良姿勢が定着したのかをロルフィングでは考察することがない。これは人によってそれぞれ理由が違うからだろう。だからどういう生活習慣によって悪い姿勢が強化されていったのかは本人が考えて発見し正していかなければならない。 12 そのうえ、ロルフィング後にほぐれた筋肉をどう維持するかというエクササイズも教えてはもらえない。ストレッチなど自分で、軽い負荷で、毎日できる安価な方法を探し、習慣化するのは本人に任されている。 そもそもどうして不良な姿勢になったのか、身体的な不良が出てきたのかというロルフィング前への考察と、よくなった身体を自分でどう維持していくのかというロルフィング後のセルフケアを教えてくれないというのが、ロルフィングに対する最大の不満です。終了後なにもしないでは効果はどんどん薄れていってしまうでしょう。もちろんポスト10セッションというのはあるわけですが。そのぶん身体の解放に特化することでものすごく高度な技術体系になっているというのは理解できます。 これではなんというか、非常に身体に意識の高い人でないとロルフィングに興味を持ち受けることができないし、かつロルフィング後も良い状態を保つことができない、ということではないでしょうか。ロルフィングを通した身体的な気づき、というのはものすごく貴重なもので、もしかしたら疲れきった現代日本を変え、世界を変えるくらいの潜在的なインパクトを持っていると思います。それだけにあまり受ける人がおらず、そもそもロルファー自身が日本に80人程度しかいない、という現状はあまりにもったいないです。 おそらくロルフィングは、現代人の身体がどうしてこんな貧しいものになっているのかということの考察や、それを打ち破っていくための探求など、大きな流れの一部分となっていくべきなのでしょう。ロルフィング普及には、もう一段高いレベルから複数の試みを統合していくことがぜひとも必要なのだと思います。 だいたい、最重要の著作であるアイダ・ロルフ『ロルフィング』(Ida Rolf, Rolfing.)の翻訳すら出ていないっておかしいとは思いませんか。
by kojitoko
| 2010-08-29 09:40
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