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ミハル・アイヴァス「もう一つの街」論書きました

「新潮」2010年12月号に「夢の本、夢の都市--ミハル・アイヴァス『もう一つの街』」書きました。
http://www.shinchosha.co.jp/shincho/newest/
アメリカのリトル・プレスからは大出版社からは出ないような魅力的な翻訳がたくさん出ています。チェコの作家であるミハル・アイヴァス『もう一つの街』もその一冊です。ボルヘスと東欧文学、シュールレアリズムが出会ったような彼の作風は非常に魅力的です。日本語では読めない、もう一つの外国文学を英語で読んでみるのも楽しいですよ。
Michal Ajvaz. The Other City. Champaign: Dalkey Archive Press, 2009.
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by kojitoko | 2010-11-27 16:50

「海を渡った『ノルウェイの森』」語り下ろしました

「SWITCH」2010年12月号に「海を渡った『ノルウェイの森』」語り下ろしました。
http://www.switch-pub.co.jp/
村上春樹『ノルウェイの森』は日本では代表作の一冊だと考えられています。そのイメージができたのはもちろん大ベストセラーになったからでしょう。
しかしながら、アメリカ合衆国では全く違います。なにより『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』、『ねじまき鳥クロニクル』により、アメリカ現代文学を代表する作家の一人となりました。同じ人物でも見る場所によってずいぶん違うものです。
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by kojitoko | 2010-11-27 16:42

『場所と産霊』書評書きました

2010年11月21日付け読売新聞に安藤礼二『場所と産霊』書評書きました。
http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20101122-OYT8T00403.htm
国ごとに閉じた文学や文化が存在する、という見方を、安藤礼二は翻訳や移動という概念を使い転倒していきます。フランス近代文学はアメリカ文学をどう翻訳したのか、あるいは鈴木大拙や南方熊楠は日本文化論を打ち立てるために世界をどう移動したのかを考察する彼の論は刺激的です。
こうした考え方は、外国研究と日本研究というあまりにも古典的な二分法をうち崩すと同時に、複数の国や文化にまたがった研究を促す力を持つといえるでしょう。
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by kojitoko | 2010-11-27 16:30

「村上春樹の哲学」書きました

2010年12月号「文學界」に「村上春樹の哲学」を書きました。
これは先に出版された『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上インタビュー集1997-2009』の解説兼書評として書きました。
60歳を過ぎてもいまだ長編を書き続け、膨大な量を売る村上春樹。しかも国際的な活躍についてもメディア上で大いに喧伝されています。好き嫌いに関わらず彼の存在が日本現代文学において唯一無二であることは誰も否定できないでしょう。
今回のインタビュー集においては、彼がいったい何を考えて書いているのか、どこへ向かっているのか、などが村上自身の言葉によって縦横に語られています。もちろん作品は作家に従属するものではないにしても、彼のインタビューは作品に平行するテスクトとしてわれわれに多くを教えてくれます。
また、今回のインタビュー集に何が収録され、何が収録されなかったかというのも興味深いところです。今回の本を通して村上春樹は日本語圏においてどういう自己像を呈示しようとしているのでしょうか。
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by kojitoko | 2010-11-07 11:29

『クリスチャン・ボルタンスキーの可能な人生』書評書きました

2010年11月07日付け読売新聞に『クリスチャン・ボルタンスキーの可能な人生』書評書きました。
http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20101108-OYT8T00453.htm
大量の衣服を積み重ねたり、引き延ばされた顔写真が暗い部屋でボウッと照らされていたりと、なんだか不吉な感じのインスタレーションが得意なボルタンスキーですが、本書を見るととにかく話し好きで興味深い人物だと分かります。
フランス社会の中でユダヤ系ロシア移民として過ごした少年時代の思い出、35歳まで100体以上の人形で兵隊ごっこをしていたという過去、突然のスターダムと現代美術の代表者となっていく経過など、どのページをとってもすさまじく面白いです。このインタビュー集を読んでようやく人気の秘密がわかりました。また彼の作品を見たいです。瀬戸内海行こうかな。
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by kojitoko | 2010-11-06 20:13